ドーピング
森脇 江介の部屋
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| | 指導・助言 |
研究領域 | ドーピングについて | |
主 題 | ドーピングの問題はなぜ起きるのか?この問題をなくすにはどうすればいいのか? | この部分をもっと具体的に示す。 |
論文構成 | | |
序 論 | ドーピングとは何か ドーピング(違反薬物を利用して運動能力を高める不正行為)に関する説明 大規模な違反事例の紹介(中国選手団の集団出場辞退、ルーマニア重量挙げ チームの相次ぐ発覚)など薬物を使用する理由(おおまかに) 完全になくすことは可能か? | 研究動機・研究の目的 仮説をおおまかに示す。 |
本 論 1 | @使用される・されてきた薬物に関する説明 ・筋肉増強剤、興奮剤、覚醒剤、鎮静剤などに関するくわしい説明 ・危険性 A検査の方法や検査体制などの研究 ・尿検査などの方法の説明および選手への配慮 ・どのような団体がやっているのか?検査体制の腐敗はないか ※主としてオリンピック、世界選手権などアマ、セミプロに関して Bいたちごっこの現状 ・最先端をいくドーピングにどのようなものがあるか。 ・それに対する検査技術はどうなっているか。 C身近にドーピングは迫ってきているか ・中学生(自分)からみてテレビの中の出来事にすぎない、と考えるかどうか。 ※アンケートを実施しての意識調査(スポーツをする人に限らず見る側からも) | 薬物利用については、興奮剤と 筋肉増強剤の2種類が競技成績に 影響を与えると考えられる。 それを目的にして使用する場合と 風邪薬などの成分が検査に表れる 場合があろう。 前者の場合はともかくとして、後者 の場合は救いの手をさしのべてあ げたいが、現時点では同罪である。 だから、熱が出ても解熱剤も飲め ないわけで体調管理が大変であ る。 |
本 論 2 | @倫理的な問題(危険性を無視してまでやる理由とは) ・選手達の意識 ・そんな意識(ばれなければいいという)の改善の可能性 ・組織的(国家的)ドーピングの問題 Aプロ・アマ両スポーツ界の意識の差 ・基準の違いなど(マーク・マグワイアが使用していた禁止薬物に関することなど) ・果たしてプロスポーツにとってドーピングは必要悪なのかどうか。 | 国際級の選手でも日本の場合は ドーピング検査に対する認識が甘 いと言われている。 使ってはいけないという薬物をあげ ると驚くものもあるだろう。 中学生でも時々飲む栄養剤なども 含まれている。 |
結 論 | @まとめ ・ドーピングは、主として金・名誉のために行われる。(個人から国家へ) ・スポーツの本質(自らの肉体・精神的に最高のものをぶつけあう)の欠如 A提案 ・自分が考える方法 オリンピック選考時の不正買収疑惑などの経験からいくとかなり大規模 な改革が必要) ・自分の考える方法が可能でなくとも、訴えたいこと ドーピングによって増強された肉体・精神を持つアスリート達はほとんど アンドロイド、ロボットにすぎない。 | |
抄録
〜目次〜
はじめに
第一章 ドーピングの基礎知識
第一節 ドーピングの歴史
第二節 使用される薬物
@禁止薬物
A血液ドーピングとは?
Bドーピングの実際の方法
第三節 検査方法
@基本的なドーピング検査
A新しい検査方法
第二章 副作用と個人・組織的ドーピングの考察
第一節 危険な副作用
@〜E各禁止薬物の副作用
第二節 個人・組織的ドーピングの考察
@世界にドーピングの名を知らしめたベン・ジョンソン事件
A冤罪の恐怖 アンドレーア・ラドカン事件
B旧東側諸国及び中国の組織的ドーピングの恐怖
第三節 身近なドーピング
第三章 結論
付記・参考文献他
〜はじめに〜
「ドーピング」とは、人体に強い影響を及ぼす薬物を使用し、公正でない意図をもって、アスリート(=競技者)自身の肉体・精神を極限にまで強化することで、自らの健康な肉体的・精神的に最高のものをぶつけあうというスポーツの本質に反している。
私は昨年のシドニーオリンピックを見て、国際的に認められ、世界の第一線で活躍していた選手たちのうちの何人かが、ドーピングという行為に手を染めている事が分かり、大変なショックを受けた。 そして、これからいろいろなスポーツを行っていく上で、自分の中 で「ドーピング」という単語だけが一人歩きしていてはいけないと思い、今回ドーピングについて調べてみる事にした。自分も野球というスポーツをしているだけに、ドーピングの事をいろいろ調べてみると、意外に身近なところにドーピングに使用される違反薬物の うちのいくつかが出回っていることに気がついた。
もはやドーピングは、テレビの向こうの事ではないのである。
第一章 〜ドーピングの基礎知識〜
第一節 〜ドーピングの歴史〜
ここでは、ドーピングの歴史について述べる。我々一般人の認識からいくと、ドーピングといえば科学の中でも最先端の技術によって合成された、聞いた事もないような名前の薬物を使ってするもののことであろう。しかし、ドーピングとは、実は人類の誕生とともに始まったといっても過言ではないのだ。ドーピング(Doping)という言葉は、南アフリカ先住民のカフィール族が、疲労回復・士気向上のために用いた刺激・興奮薬であるドープ(Dope)からきている。また、中南米・アフリカの先住民たちが、精神を高揚させる効果のあるコカの葉やある種の茸などを用いた事も知られている。
このように、ドーピングとは、決して科学の進歩の副産物としてできたものではなく、人類誕生以降絶えることのなかった戦いのなかで誕生したもの、つまり「生きる手段」ということもできる。
以上が、ドーピングがいかに早く歴史の舞台に登場したかであるが、実はスポーツ界への広がりも早かった。紀元前3年には、古代ギリシャの医師カレンが、選手に興奮剤を処方したという記録がある。また古代ローマ時代には剣闘士が興奮剤を使用したり、二輪馬車競技の馬にアルコール発酵させたハチミツを与えたり、逆に敵の馬に戦闘意欲を失わせるような薬をひそかに与えたという記録もある。
ところが、19世紀にはいるまで、科学の急激な進歩があまりなかったため、先にあげたような行為によって勝敗を劇的に左右する効果があったとは必ずしもいえない。
ところが19世紀にはいり、科学技術が飛躍的な進歩を遂げると、ドーピングはついにアスリートたちに対して牙をむいた。
1886年に、ボルドー〜パリ間で行われた自転車レースでイギリス人選手が興奮剤トリメチルの過剰摂取によって亡くなった。これが、近代スポーツにおける最初の「近代ドーピング」の死者である。
10年後にギリシャで開かれた第1回近代オリンピックにおいて、スポーツが競技として確立されていく。それと同時に、スポーツが「楽しむもの」から「競うもの」へと変貌を遂げ、ドーピングが広がりだしたのである。
次にドーピングは、個人から国家へと広がる。1936年のベルリンオリンピックでは、ナチスドイツの政策により、オリンピックは国威発揚の場と位置づけられ、競技スポーツの中にナショナリズムが持ち込まれ、ドーピングは国家に広がる。このころから、国ぐるみでの組織的ドーピングもみられはじめる。この近代ドーピングの初期の段階において多用されていたのは、カフェインなどの興奮剤であった。そして次(1930年代)にはアンフェタミンを代表とする覚醒アミン(中枢神経興奮薬)も使用され始める。これは第一次世界大戦で夜間戦闘用の薬物として開発された。1995年のツール・ド・フランス(自転車の長距離レース)では、アンフェタミンによる多数の違反例が報告された。そしてこの薬物は、1970年にかけあらゆるスポーツに広がっていく。しかしこのアンフェタミンも、やがてはドーピング検査に引っかかるようになる。このころから、ドーピングをする側とみやぶる側のいたちごっこが始まる。
アンフェタミンの次に登場したのは同様の効果を得られるエフェドリン(交感神経興奮薬)、さらに男性ホルモン製剤のテストステロン類や、タンパク同化ステロイドなどである。以後、近代ドーピングは中・後期に入っていくのである。
以上がドーピングのおもな歴史であるが、これを見ると19世紀に入ってからのドーピングの近代化は科学の進歩の副産物であるとともに国家の威信をかけた組織的ドーピングの結果であるといえる。
第2節 〜使用される薬物〜
現代のドーピングにおいては昔と違って多種多様な薬物が使用され、方法も巧妙になっている。ここでは、現在使用されている薬物や、使用方法などについて述べる。
@ 禁止薬物
禁止薬物は、7つに分類されている。
A:興奮剤(競争心を高め、疲労感を抑える)48種
B:麻薬製鎮痛剤(苦痛を和らげる)8種
C:男性ホルモン製剤・タンパク同化ステロイド(筋肉)36種
D:利尿剤(尿を増やし、減量・薬物排泄に効果的)13種
E:隠蔽剤(薬物の存在を隠す)3種
F:ペプチドホルモンとその同族体 9種
G:β遮断剤 19種
H:β2刺激剤 7種
表@ 〜主な禁止薬物〜
A:アミネプチン,アンフェプラモン,アミフェナゾール,アンフェ |
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